2007/04/21

ラヴレター

書斎でうとうととしていたら携帯電話が鳴った

茂木健一郎さんからである。

サントリー音楽財団の佐々木さんが出来上がったばかりの新作スコアを届けに行ってくれたらしい。

朝カルが終って新宿で飲んでいるとのこと。背景から沢山の賑やかな声が聴こえる。

その中からいつもよりさらに弾んだ茂木さんの声がうとうととしていた私の目を覚ます。

新作のスコアを手にしてすごく喜んでいる様子だ。

嬉しい。

新作のスコアとは、産みの苦しみの果てに産み落とした我が子のようでもあり、特にコンチェルトの場合、さらに今回のようなコラボレーションによる作品の場合は、いわばそのひとに対するラヴレターみたいなものでもあるのだ。

そしてそれを受け取った方から喜びの電話を頂いたようなもの。言葉には語り尽くせないものがある。

今回、茂木さんの持つ肉声の質感に拘って、そして茂木さんという人柄にも拘って、そのスコアは茂木さんの語りが特にフィーチャーされるように書いてある。

しかも、出ずっぱりではない。神出鬼没である。舞台、照明、音響、等々スタッフの皆さんとの打ち合わせでは「どこでもドアだね」と言われた。

そして、この新作に関して、実は皆様にもうひとつ報告することがある。

この新曲、茂木さんの語りの他に、独奏ヴァイオリンが入るのである。そのヴァイオリニストはホール向かって右上奥のバルコニーに居て、そこから重要かつ短いフレーズを数種数回弾くのである。

以前にも少し書いたが、うまくコンポジションできるか、そして独奏者をどうするか、といろいろ考えなければならないことがあったが、作曲上の問題もうまく解決して、そして何よりも、この独奏ヴァイオリンには、このコンサートで武満作品を弾くためにお願いした大谷玲子さんが引き受けて下さることになったのだ!

演奏者にも、スタッフの皆さんにも恵まれている。みなさま乞うご期待!


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